2010年2月16日火曜日

Webマーケティングによる営業の売上アップ・コスト削減勉強会~貴社の売上アップ・コスト削減余地が明らかに〜

・セミナー名:
Webマーケティングによる営業の売上アップ・コスト削減勉強会~貴社の売上アップ・コスト削減余地が明らかに~


・開催日時:
2010311日(木) 14:0017:00


・セミナー概要:
業績向上のコンサルティング実績10年以上。Webマーケティング・コンサルタントが今まで決して明かさなかった、営業の売上アップ・コスト削減同時実現の秘訣を公開する勉強会を開催いたします。

SEOSEM、検索エンジン、バナー広告、ブログ、ツイッター、
ソーシャルメディア、アクセス解析、リスティング広告、PV・・・

Webマーケティングといっても、
何からはじめればいいのか・・・
何が一番重要なのか・・・
本当に儲けにつながるのか・・・
答えはたった一つです。

お金をかけずにできる方法があります。
そうすれば、当然儲かります。

・ 投資不要!無料ツールを駆使してWebマーケティングを実現し、
・ 見込み顧客を次々発掘!「勝手にやって来る顧客」からの問い合わせ対応に大忙し、
・ テレアポで強引に獲得した顧客と比べた「顧客の関心の高さ」に驚く!

そう、これが、2010年のWebマーケティング。
アタックリストも、疲弊するだけのテレアポチームも減らしましょう。
作ったWebサイトが、誰よりも優秀な営業マンへと変貌を遂げます。

売上拡大の"裏技"が完全公開されるセミナー。なんと、
1人様1,500円。今回限りです。

今回のセミナーでは、Webマーケティングを遂行していくための、具体的なツールまでおしみなく公開します。

これだけ学びの多い今回のセミナーですが、参加費は1500円です。
ただし、会場の都合上15社様しかご参加いただけません。
ご好評につき30社様まで増員いたしました!
さらに私どもの既存のお客様にも一部ご案内をしているため、ご用意できる席はさらに限られてしまいます。

経営者・役員・部長の方々の時間を投資していただき、不況を乗り越えるヒントや解決策を得ていただきたいと思っております。
是非、この機会にご参加ください。

■講演内容          
【第一講座】~これだけ押さえれば成功する!~
エム・アイ・コンサルティング株式会社 小島美佳
Webマーケティングを成功させる4つの条件
 ・ Webマーケティングの全貌と時流
 ・ これからはじめる企業、現段階でうまくいっていない企業が今、抑えるべき考え方


【第二講座】~今だから語れる...失敗と成功 ? 
株式会社富士通ビジネスシステム 石見誠一
事例紹介:Webマーケティング成功への道のり
 ・ SaaS型アプリケーションへの問い合せ件数を3ヶ月で45倍にした秘訣とは!?
 ・ ターゲット選定からクロージングまでの流れを大公開!
 ・ Webマーケ推進体制の鉄則!


【第三講座】~御社にも起こるかもしれない!? ~ 
エム・アイ・コンサルティング株式会社 小島美佳
事例紹介:他社の失敗から学ぼう
 ・ 先進好事例、失敗事例の公開とルール化!
 ・ 成功事例から学ぶ、想像よりもはるかに少ないWebマーケ必要投資額


【第四講座】~疑問に全てお答えします!~
質疑応答:Webマーケティング実践現場ノウハウ大公開

■講師:
エム・アイ・コンサルティング株式会社 
Webマーケティング部統括ディレクター 小島美佳
慶應義塾大学で経営論を選考。アクセンチュアに入社し、企業における事業開発や営業分野を中心とした数々のコンサルティング・プロジェクトを遂行。エム・アイ・コンサルティング・グループの立上げに参画し、自ら事業開発、営業を展開。現在は、海外における営業・マーケティングノウハウを日本国内に展開する各種活動に従事。企業に対するコンサルティング支援をする一方、営業トレーニングの講師としても活躍している。

株式会社富士通ビジネスシステム 
ビジネスイノベーション推進部 プロフェッショナル部長 石見 誠一

■開催概要             
日時:2010311日(木)14:0017:00(受付は13:30~)
主催:エム・アイ・コンサルティング株式会社
共催:株式会社富士通ビジネスシステム
会場:株式会社富士通ビジネスシステム 2階 東京都文京区後楽 1-7-27
定員:3015名(*先着順とさせて頂きます)ご好評につき増員いたしました!
参加費:1,500

2010年2月10日水曜日

「ニッポンの成長」について話し合いませんか? 【ゲスト講師】大塚耕平・内閣府副大臣

 日本がいま「課題先進国」として、様々な問題を抱えていることは、皆様、共通認識としてあろうかと思います。では、課題先進国としての“成長”はどんな形になっていくのでしょう。恥ずかしながら現政府が掲げる「成長戦略」がいまいちよく分からないのです。皆様どうなんでしょう?この際、読者の方々が考えていること、疑問に思っていることも一緒に現政府にぶつけてみてはどうだろう。そこから新しい成長像が見えるかもしれない・・・。そんな趣旨で始める連載です。
 ゲスト講師として現内閣府副大臣、大塚耕平氏に参加して頂きました。NBOで「戦略立案のプロ」などのコラムを書いていただいた大上二三雄氏にはこのNBO勉強会の“まとめ役”をお願いしました。今後、読者からの意見をもとに、大塚さんらとの議論を深めていく予定です。皆様のコメント次第で内容が変わってくる“先が読めない”連載です。
(編集部瀬川)
大塚 では・・・今回は「日経ビジネスオンライン」読者と「成長戦略会議」を継続的にやるイメージなんですね?
NBO はい。昨年の年末、日経ビジネスオンラインで「10年後の日本のシナリオを考える」という読者参加型の勉強会をこっそり開催しました。その時、大塚耕平副大臣には“一個人”として参加していただきました。あの勉強会も今後公開する予定ではあるんですが、あの勉強会で印象的だったのが、大塚さんが「現政府には成長戦略がないというマスコミの批判には、僕はちょっと不満がある」と言って、大塚さん自身が書いた経済リポートをもとに、日本経済の現状を説明してくれたことでした。あれはいい機会で、参加された読者の方々にも「とても勉強になった」と喜んで頂けました。
 ところが・・・その後、現政府が発信する情報をいくら積み上げていっても、現政府の成長戦略が伝わってこないんですよ。というよりも、現政権にはアイデアがないのではないか、と思ってしまう話題が実に多い(笑)。それで、この際、読者と一緒に「成長戦略」について話し合う場ができないかと思ったんです。


大塚 耕平(おおつか・こうへい)氏
1959年名古屋市生まれ。83年早稲田大学政経学部卒業、日本銀行入行。在職中の2000年に早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程を修了し博士号を取得(専門はマクロ経済学、財政金融論)。同年、日本銀行を退職。2001年参議院議員に初当選、現在2期目。鳩山由紀夫内閣にて内閣府副大臣を務める。著書に『公共政策としてのマクロ経済政策』(成文堂)、『ジャパン・ミッシング 消えた日本、再生のカギを考える』(オープンナレッジ)など
画像のクリックで拡大表示

大塚 それは、いい提案です。今は日本経済が危機に直面していると思っています。そのような状況ですから、日経ビジネスオンラインの読者の意見を聞いてみたいですね。政府が年末にまとめた日本の成長戦略に関しても、僕なりにちょっと言いたいことがありました。実際、菅(直人)さんにはいくつかコメントしたんです。

NBO どんなことを?

大塚 一言でいえば、紙で「成長戦略」と書けばそれが日本の成長戦略になるのかということです。「何パーセント成長を目指します」と数字を掲げたらそれが成長戦略なのか。皆さんも、そんな単純なものではないと思っているでしょう。成長戦略とは何か、皆さんが考える成長戦略を「定義」から一緒に話したらいいんです。それを、徹底的に議論しておかないといけない。
 たぶん、今回発表されたものも、このままでは表層的なニュースのひとつにすぎず、政治の側からの一方的な発信で終わってしまうでしょう。 そうならないように、もちろん僕自身も努力します。

NBO まず、知りたいのは各分野の目標もさることながら、皆さんが「日本の成長」をどう考えているのかだと思うんです。「課題先進国」(『「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ 』)として、様々な問題あることは承知しているとは思うんですよ。
 でも、その上で、日本の成長は何かというと皆さん思い描いている姿が違うと思うんですね。ですから、皆さんが考えていること、疑問に思っていることを、この際、政府や企業の方々も一緒に突き合わせてみたいんです。
 ただ、一方的に意見を言っていても展開がありませんので、まとめ役としてNBOで「戦略立案のプロ」などのコラムを書いていただいた大上二三雄さんに“ファシリテーター”になってもらおうと思ってます。










大上二三雄氏

大上 最終的な結論は読者の方々各自が引き出すことになると思います。ただ、この話し合いの場がある意味、「塾」のように学びの場になれば理想です。その場の講師として、一緒に考えてくれる相手として大塚さんに出ていただくというのはすごく楽しいんじゃないかと思っています。

大塚 大上さんが塾長?

大上 一応。で大塚さんはこの塾の講師であり、政治家、政治の政界の窓口。

大塚 いやー、それよりも“大上塾長の友達”という立場がいいな(笑)。

NBO 自由な場にしたく思ってますので、肩書きはご自由に選んでくださって構いません(笑)。肩書きはともかく内容については責任をもってお願いします。なお、登録読者からのご意見をもとに、4回目以降の連載を続ける予定ですので、皆様、どうかよろしくお願いします。

「日本の成長戦略」に対する評価は?

大上 今日は、大きく分けて、2つのことについてお聞きます。まず、報道などでいわれている「日本の成長戦略」について。12月末に発表された成長戦略ですが、率直に言って、この内容について大塚さん自身どう評価されているのか。あと、もう1つがそもそも「成長戦略って何か」。これについてお伺いしたいんです。

今回の成長戦略に対して新聞は「財源の具体策見えず」との評価をしていましたね。しかしね、戦略立案の段階では、「具体策」がないことなどは当たり前じゃないかとも思うんです。掲げるビジョンと現状にはギャップがあるのが普通です。それを埋めていくにあたっての方針が「戦略」であり、それを実行するためのもろもろ具体策が「戦術」です。現政府がビジョンめいた目標を「戦略」と掲げたことがそもそもおかしい思うんですが、この戦略という言葉に対する定義も含めて、思うところを聞かせていただけませんか。




 
「10年後の日本のシナリオを考える」勉強会の様子
 
大塚 「成長戦略がない」という指摘を受けていた中で、政府として1つの考え方をまとめました。これがコミュニケーションの始まりになります。その意味では評価できると思います。実際にこの戦略を作り上げる過程では、僕も関連部分には関与しました。
 もっとも、2番目の質問である「成長戦略の定義」ですが、マスコミも経済界の皆さんも、なんだか「成長戦略とは政府から提示されて、与えられて、その通りにいくもの」という前提で聞いていないでしょうか?実は、日本の将来を考えると、その点が最も不安です。

「おいおい、どこまでが政府の仕事なんだよ?」


 今回発表したシナリオについて、「その通りにうまくいかせるのも政府の仕事ですか」と経済界の皆さんには聞いてみたい。やはり、このシナリオを形にしていくのは、政府だけじゃなくて、実際にビジネスにかかわる人たちも重要なメインプレーヤーです。そのことがあまり認識されてないんじゃないかという気がするんです。

大上 では、僕らも率直に言っていいですか(笑)。そもそも、この「成長戦略」は民主党の政権の初期段階のアジェンダにあったものなんでしょうか。というのも、私の見ている限りですけど、11月ぐらいから、急に経産省の人たちが成長戦略を作るんだ」とばたばたと動き始めて慌ててつくったような印象があります。あともう1つは「現政府、民主党政権は産業界とのコミュニケーションをちゃんとされているのか?」と思うことが本当に多いんです。
 私が非常に尊敬している経済人の方が、現政府の某氏と小人数でディナーをともにした折、「20分くらい話をしたら、もう話す気がしなくなった」と振り返るんです。それくらい、「産業界というものに対する認知やリスペクトが感じられなかった」と。
 これは、個人の問題ではありません。比較的、ビジネスセンスがありそうな某氏でそのような状況。それ以外にも、現政権の人たちはどうも産業界を低く見ていると思わざるを得ない、といった話題が多いのです。逆に、経済界の比較的良識がある人たちは現政府をエイリアン、進駐軍を見るような感じで遠巻きにみているような状況がありますよ。

大塚 それは、某氏が何の話題について話したかによりますけど、ただ、そういう政治や政府に対する不安感を早く払拭しなくてはいけないとは思います。
 その時、大事なポイントは、先ほどの話でいうところの「成長戦略」です。紙に書いて出すことは簡単ですし、それに書いたことを法律や制度にすることはできます。けれども、実際にプレーする人は、政策に関与する側もいれば、ビジネスにかかわる人たちもいるのです。そうしたプレーヤーとしての意識が今ひとつ欠けているのではないか。それが1つのポイントです。

「みんな、コンペティターの存在を理解してないんじゃないの?」


 もう1つは、日本のマスコミや経済界からの問い掛けを聞いていると、成長戦略をものすごく「静態的」なものとしてとらえている気がするんですね。そもそも、すべての経済行動、産業政策には必ずコンペティターがいるんです。ところが行政を含めて、コンペティターをあまり意識していない気がします。

大上 ダイナミックな3Cですね(3Cとは「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字自社の戦略に活かす分析をするフレームワーク)。

大塚 このコンペティターの問題を分解すると、注意すべき点がさらに2つある。「動態的であるがゆえに想定通りにはならない可能性がある」というのが1点。それから、もう1点は「世界の構造変化を十分意識できていない」ことです。
 そういう観点から、成長戦略の最終案をまとめる時に、僕もいくつか注文した点があるんです。
 例えば、日本のプレゼンス、立ち位置についてです。相変わらず「アジアに対して、欧米と日本がどのように働き掛けるか」という視点で検討されています。もちろん文章の中には「アジアの中の一員として」というフレーズは出てきますが、読後感は明らかに日本は・・・

“上から目線”では成長戦略はでてこない


大上 アジアとは別だと?
大塚 ええ、アジアとは別だという意識で書かれているわけですね。それで菅(直人)さんに「こういう意識は適切ではないのではないか」という意見を明記したペーパーを出しました。こういう意識はよくないですよ。菅さん自身はよく理解されていると思いますが、とりまとめ担当者はもっとよく考えるべきですね。


 
 実は、それと同じ気持ちになったことが金融庁のある有識者会議の際にありました。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などの清算機構をどうやってつくるかということを議論していたのですが、「決済インフラをアジアにも提供しなくてはならない」という表現で意見を述べる方がいました。
 「このまま放っておくとロンドンのクリアリングハウスが中心になるので、ロンドンに対抗してアジアに拠点をつくるべき」という意見自体は理解できますが、その方の発言はアジアを「上から目線」で見ている印象であり、「日本が提供してやる」というイメージに聞こえました。僕の思いすごしかもしれませんが・・・。 因みに、その方は元官僚で、今は業界幹部でした。

NBO なるほど。

大塚 そこで、僕は「そういう発想を放置していたら、ロンドンを意識しているうちに上海にクリアリングハウスができちゃいますよ」という話をしたんです。
 私たちより上の世代は、高度成長期までのG7が世界を引っ張っていた感覚が抜けていない。中国の存在についての認識も僕たちとは意識が違う。僕の子供の世代なんかは、中国は後進国だというイメージはないでしょう。当然、高度成長期世代はそうした子供たちとは全然認識が違います。世界の構造変化について、必ずしも適切でない認識の人たちが産業界や業界の幹部の中にもいることは、日本の成長戦略を考えるうえで根深い問題と言えます。
 つまり「そうした業界幹部の人たちが納得する成長戦略であれば、たぶん失敗する」ということなんですね。

大上 そういうことですね。

大塚 極めて「動態的」であるし、コンペティターがいるから予定調和のようにはならない。それが成長戦略の前提です。それと密接に関係する話ですが、「世界の構造変化をどうとらえているか」ということが重要です。アジアについても、いわゆる「上から目線」で見ていたら、今や成長戦略の体をなさない。「アジアの成長を取り込む」という発想ではなく、「アジアの国としてアジアとともに成長する」という意識が重要です。
 最初にプレーヤーの話をしました。次が、成長戦略は動態的であるという話。そして、最後の3点目は日本や世界の構造変化に対する認識の問題です。

成長戦略とは何なのか


大塚 僕はこのような作戦ペーパーをまとめなくとも、実はその定義に関してみんなが本質に気がつけば、放っておいても成長すると思っているんです。
 それは構造変化の話とも関係があります。「日本の成長が行き詰まっている」のは、各分野に「さまざまな原因がある」からでしょう。だから各分野の「その原因」を除去すれば、自ずと変化が生まれ、成長が始まるはずなんです。
 つまり、今までと同じことをやっていたら、今までのトレンドは変わらない。今までの何に原因があって成長が停滞し始めたのか。みんながそのことを自問自答し、プレーヤーとして各人がチャレンジしていくこと――それが成長戦略なんです。この意味さえ共有できれば、放っておいてもみんながそれぞれの動きをし始め、成長に向かって前進します。
 そういう観点で、今回最も評価すべき点は、責任者である菅さんが、環境問題や温暖化ガス25%削減目標について、「制約要因だとは思ってない」とはっきり言ったことですね。そこはさすがだなと思います。その目標に対処するために、今までと違うことをやらざるを得なくなるわけです。そういうムーブメントを起こすトリガーを引く。そういう行動を僕は正しいと思っています。今までと違う動きを始めなければ、何も変わらない。

NBO 目標を共有して、そこに向けて「じゃあどうすればやれるのか」と発想の転換を仕掛けていく、と。

大塚 そのとおりです。大事なのはそれなんです。日本のビジネスマンやこれから社会に出る若者が、「今までの日本のやり方はある時期まではよかったけれど、それぞれ時代に合わなくなっている。世界の構造変化に対処せず、今までと同じことをやっていたらトレンドは変わらない。良い方向にはいかない」という意識を共有できたら、後は放っておいても今までよりも良い方向に進むと思います。

大上 その通りですね。

大塚 アニマルスピリッツ。私の大学時代の恩師である伊達邦春先生は、安井琢磨さんとの親交も厚く、シュンペーターの第一人者でした。そこで、僕もケインズとシュンペーターをかなり勉強しました。その中に「アニマルスピリッツ」という言葉が出てきます。「アニマルスピリッツ」についてはいろいろな理解の仕方がありますが、要は、動物は人間よりも本能的に危険や限界を察知し、それを打破するための行動を取るということです。危険が迫っている、限界だということを日本経済とそれを支えるプレーヤーが認識できたら、「アニマルスピリッツ」が自然とわき出てくると思います。

大上 危機感を共有できれば、ですね。

中身からやり取りまでオールドパラダイム

大塚 おそらく、まだそこまでは共有できていない。だからこそ、私としては「成長戦略のペーパーだけ作っていればいいというものではない」という自責の念に駆られているんです。マスコミも「何かペーパーを出してください」みたいなことを言っているうちは・・・。

 
「10年後の日本のシナリオを考える」勉強会の様子
 
大上 数字を出してくださいとも言いますよね。でも結局、出てくるペーパーは小泉政権でまとめられたものに、作風がそっくりじゃないですか。あれも経済産業省の人たちの素案に、御用学者の方が構造改革=雇用の増加という味付けをして、結局、中身からやり取りまでオールドパラダイムなんです。
 言われるように、環境を制約ではなくて、環境を新しい目標として考えよう、というのは正しい。それはニューパラダイムです。例えば、アジアと西欧という2極で未だに物事を考えていたり殆んどがオールドパラダイムの中で、新しいパラダイムもあるのがまあ希望と言えるでしょうか。
 私が尊敬する横山禎徳さん(『アメリカと比べない日本』)が良く使う言葉に、オクシモロン(Oxymoron)という英語があります。日本語で言えば相反する両義性でしょうか。あの人は悪い人だけど、いいところもあるとかね。物事には両面性って必ずあると思いますが、日本以外ではどちらか旗幟鮮明にしなくてはいけない。元々は、南方熊楠が言い始めたのですが、あいまいさを許容する日本文化の核心は両義性であると。この特徴は生かすべきでしょう。“西欧の一員でありながら、アジアの一員である”というような、立場の取り方だとかね。
(次回につづく)
日経ビジネスオンラインでは「日本の成長戦略」について「屋上会議室」で意見を募集します。2010年2月10日16時に「日本の成長戦略」という会議室をオープンします。今回の講師である大塚さんが「できない理由を言うのは無駄です。そろそろ、その先の話をしましょう」と言うように、“未来の成長のためのご提案”をお願いします。なお、寄せられた意見をもとに、再度、大塚さんとファシリテーターである大上さんと4回目以降の連載を続ける予定です。どうかよろしくお願いします。
テーマ別に会議室を分けてみましたので覗いてみてください。
「需要創造(新事業や成長産業)」分室
「供給側の改革(=規制改革)」分室
「アジアの成長へ呼応」分室
「環境問題対応への同期」分室
「地方からの提案」分室

2009年11月15日日曜日

Web マーケティングの効果を高める3つの原則 ~ Web 先進国アメリカから学ぶ ~ Part Ⅲ:成果につながる改善活動で 「問い合わせ」を「商談」につなげる

2009 年11 月
エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社
Steven Kelley
小島美佳


本書を読まれる方へ (サマリー)
米国先進事例やノウハウから学ぶ、というシリーズで続けてきた本レポートは、
これで最後となる。PartⅠで、商品や顧客の特性を踏まえたWeb マーケティ
ング戦略があるべきと申し上げた。そしてPartⅡで顧客に見つけてもらい、
選ばれるアプローチの重要性について記述させていただいた。

最後となるPartⅢでは、主に収集したリード(問い合わせ)をどのようにして
商談化するのか、という点に絞って議論させていただいた。

簡単に説明させていただくと、リードを商談化するために考慮すべき点は
2つだ。1 点目は、商談化に至るプロセスを詳細に設計し、それに基づいた
行動を行うこと。これを行う理由は、うまくいかない時に要因を具体的に
捉えることができるからだ。

そして、2点目はリードの質を担保するための見極めを早い段階で行うこと
である。我々の経験によると、1点目をクリアする前に、2点目でつまずいて
いるケースが多い。最後にコスト対効果に基づく改善活動をしっかり行って
いく。

本文ではSMART(Specific, Measurable, Achievable, Realistic, Time)という
概念を活用してこの重要性を強調させていただいた。さらに、一部の活動を
容易にするためのツールもご紹介している。

■Web マーケティング戦略は本当に検討されたか?
さて、本題に入る前に。Web マーケティングの戦略、という点をもう一度確認
いただきたい。何度もしつこいようだが、この出発点が大変重要である。
結局のところ、リードを商談に結びつけるために必須なのが戦略検討である
からだ。

Web マーケティング戦略とは、全ての土台となる。これがお粗末だと、その他
施策の効果も発揮されない。もし、本レポートを始めてダウンロードされた方が
いらっしゃったら、是非ともPartⅠ、PartⅡも読んでいただきたく思う。

■どうすればWeb マーケティングのROI が上がるのか?
それでは、改めてWeb マーケティングの目的、という点に立ち返ってみたい。
当たり前のことではないか、と思われる方も多いだろうがWeb マーケティング
を行う目的は、最終的な売上を伸ばすためである。しかも、通常の営業
プロセスとは異なる方法で、より効率的に、だ。従って、Web マーケティング
を始める前に、
①どの状態に達すれば売上が伸びたと言えるのか。そして、
②どの程度のコストで成果を達成できていれば効率的であったと言えるのか、
という2つのゴール設定を行うことが肝心である。

我々がこれまでに拝見させていただいたケースをみると、この2つをしっかりと
定義して実施している企業は少ない。或いは仮に計画はあったとしても、
数字を見ながら行うべき施策を修正したり、計画自体を腰を据えて見直す
PDCA を実践できているケースは稀だ。

なし崩し的に数字が忘れられ、経営への報告を行う前にバタバタするという
のが最も典型的なパターンだ。

Web マーケティングの成果は、できるだけ少ない投資で、できるだけ多くの
売上を上げられるのが理想的である。従って、これらの2つの点を具体的にし
(Specific)、測定できるKPI を設定して(Measurable)、到達可能なゴールに
(Achievable)、現実的な施策を用いて(Realistic)、具体的な期限を設定して
(Time)進めていくことが重要となる(SMART)。

当たり前のことを申し上げて恐縮だが、実際にこれを、胸を張って「できている」
と感じられている皆さんは、おそらく本レポートのダウンロードはされていない
だろうと思う。

■企業Xにおける商談化の実態
ここで一つのケースご紹介しよう。企業Xは、かなり早くからWeb マーケティング
の取り組みを始めていた。Web マーケティングの先進事例を多く研究し、最も
効率的に問い合わせ(リード)を収集する仕組みを構築していた。この企業で、
最も多くのリードを集めることができていたのは、研究レポートのダウンロード
であった。

ホームページ上に研究レポートを掲載し、それをダウンロードするためには、
顧客は自分の情報を入力する必要がある。これを行うことによって、沢山の
顧客情報が手に入っていた。

さて、これらのコンタクト情報に対して企業Xでは営業チームがアポイントを
取るためのコールを行っていた。手に入った顧客情報に対して電話をかけ、
興味を持っていただいた顧客と商談を進めていくアプローチだ。

しかし、商談化率はあまり良くなかった。全体のゴール設定なども行っていた
ので、数値は確認できたのだが、アポイント取得率は1%に満たなかった。
だんだん営業はモチベーションが下がっていく。

「いつもの通りテレアポをしているのと何が違うのか?」
「全てのコンタクトへ電話をかける必要があるのか?」
という不満の声が漏れてきていた。そして、次第に営業は、ほとんどコンタクト
情報へのフォローを行わなくなっていった。

■原因その①:顧客が「買う」タイミングを掴めていない
この企業X のような実態は多くの企業を見られるもので、決して日本企業に
限ったことでもない。米国のInTouch, Inc によると、Web マーケティングによって
得られたリードのうち、約80%は営業によってフォローされていないという事実
がある。

衝撃的な数字だが、事実だ。それでは、一体何が理由でこのようなことが
起こってしまうのだろう。冒頭のSMART に戻って考えてみよう。

ここで最も考えるべきは、現在行っている施策がどこまで現実的なのか
(Realistic)、ということである。

次項の図を見ていただきたい。


これも米国のデータ(Sirius Decisions)であるが、すぐにアポイントが
取れない、いわゆるアクティブでない顧客が、24 カ月以内に競合から同様の
商品を買っていた、という事実を示している。

仮に企業X が持っているコンタクト情報が、将来の顧客に成りうる可能性が
高いのだとしたら、購入するタイミングではない段階でアプローチしてしまって
いる可能性が高い。

「今、この段階で興味を示してくれなかった」=「悪いリード」ではないのだ。

商品特性にも依存するが、これは どのような条件が整えば顧客が購入する
のかを前もって見極めておく必要があることを示唆している。一般的に
研究レポートを1度ダウンロードする程度の顧客は、おそらくまだ興味段階で、
購入に至るケースは少ない。

それと比較して、より顧客側にとって労力のかかるセミナーへの参加や無料
診断への申し込みなどを実施する場合には、購買欲求が高いと考えられる。
顧客の行動を管理し、それらのタイミングに合わせて営業からのコールを行う
ことが重要だ。

このように、リードを商談に結び付けていく活動をナーチャリング(Nurturing)
と呼ぶ。PartⅡでも触れさせていただいたが、この条件がどのようにそろえば
良いのかを見極めるためには、既存のWeb マーケティングを活用しない状態
で、どのような営業の「勝ちパターン」があるのかを徹底的に議論し、洗い出し
ておく必要がある。

例えば、セミナーに参加してもらえれば勝率が高い、ある課題に対する問題
意識が高ければ勝率が高い、経営者と話せれば負けることが殆どなかった…
など、既存の営業が持つ知見をしっかり把握することだ。

■原因その②:リードの質が悪い
もう一つ、考えられる要因として、そもそものリードの質が悪いというのがある。
本来、Web マーケティング戦略の段階で、ターゲットとしたい顧客が定義されて
いるはずだが、その顧客プロファイルではないリードが集まってきている
可能性があるのだ。

我々の経験的には、前述した顧客の購入タイミングを誤ってアプローチして
しまっているケースよりも、リードの質の問題が深刻なケースのほうが多い。
事実、こちらを最初に解決しないと、どんなに頑張ってナーチャリングの施策を
打ったとしても意味はないし、営業チームの信頼を獲得することも難しい。

まず、必ず忘れずに行うべきは、初期の段階で できる限り質の良いリードと
そうではないリードの選別を行ってしまうことだ。これは、マーケティング側の
勘や肌感覚で行うのではなく、具体的な条件に基づいて篩にかける。

さらに、この条件は予め営業とよく話し合って決めておくことが重要だ。

当社では、この「質の良いリード」を見極める条件を
ULD(Universal Lead Definition)と呼んでいる。直訳すると、包括的なリードの
定義、という意味で、あらゆる角度から質の良いリードが定義されたものを指す。

これがなぜ重要かというと、すぐにアプローチすべき顧客を初期の段階で
絞り込むことにより、実際にナーチャリングの段階できめ細かいフォローを
行う顧客を取捨選択できるからだ。

労力をかけたくない顧客を早期の段階で見極めたい。そうでないと、冒頭で
申し上げたROI が実現できなくなってしまう。

■ROI を測るには、コスト対効果で見ないと意味がない
このように紹介した各種施策はROI を追求する上での「売上」向上を目指した
内容となる。しかし、この手の施策推進には、当然のことながら投資が必要だ。
はじめに設計したプロセスが万全、ということはまずあり得ないし、競合の動き
や環境の変化によって影響を受ける可能性も高い。

一度成功したやり方で、継続的に成功するとは限らない。PartⅡでも申し上げ
たが、そのために必要となるのが目標と現状との乖離を確認し、一つ一つの
段階でどの程度のコストがかかっているのかを確認することだ。

要するに、冒頭のSMARTの視点に立ち、行われている活動を随時チェックする
ことである。

例えば、
 ランディングページへのヒット数は、1 件あたりどの程度のコストで実現
できているのか?
 顧客情報の取得に、1 件あたりどの程度のコストがかかっているのか?
 セミナーへの誘導にかかっているコストはいくらか?
 アポイント1 件あたり、いくらかかっているのか?

上記の実態を常に押さえておくことが重要である。これによって、パフォーマンス
(成果が出ている、というだけでなくコストパフォーマンスを含めて)下がっている
ところへ必要となる施策を打つことが可能となるのだ。

商談化のプロセスに入り、だんだんと活動が複雑になればなるほど、新しい
施策を打つ前に、分析を行うことが重要となる。

例えば、商談化に至る過程であまり行われていない議論として、アポイントに
つながらない案件、或いは失注した案件の分析がある。
-なぜアポイントにつながらなかったのか?
-アポイントにつながらない顧客に共通する点は何だろうか?
-次のアポイントの際に何に気をつけることができるだろうか?
こういったことを自問自答するのだ。

しっかり議論することで、ちょっとした工夫で追加の投資を回避することが
できるかもしれない。Web マーケティングは、賢くやることによってコストを
かけずに成果に到達することができる。多くの企業があきらめずにこの新しい
領域で成功を掴んでいただくことを願ってやまない。

著者紹介

■Steve Kelley
米国ノートルダム大学卒業、ケロッグ経営大学修士課程終了(MBA)。
アクセンチュアにてシリコンバレーの戦略テクノロジーセンターに勤
務、東京のネットイヤーグループに勤務後、サンディエゴWebsense に
入社。セキュリティーソフトウェアのマーケティングや事業開発部門の
幅広い分野をリードし、売り上げを35 億ドルから343 億ドルに伸ばす
と共に、SaaS テクノロジーのエキスパートとなる。2009 年にボーダー
レス・グループCEO。

■小島美佳
慶應義塾大学を卒業。アクセンチュアに入社し、事業開発や営業分野
を中心とした戦略、プロセス、組織、人材の計画策定から改革支援まで、
数々のコンサルティング・プロジェクトを遂行。その後、エム・アイ・
コンサルティング・グループの立上げに参画し、自ら事業開発、営業を
展開する。現在は、海外における営業・マーケティングノウハウを日本
国内に展開する各種活動に従事。企業に対するコンサルティング支援を
する一方、営業トレーニングの講師としても活躍している。

以下は、少ない投資で成果が出るWeb マーケティングに関心のある方
のみお読みください。
レポートを最後までお読み頂きありがとうございます。
今回お読み頂いたレポートは、貴社のROI を急激に高める可能性を
秘めている強力な提案です。新しい方法論であり、ほとんどの企業が
実現できていないことが書かれています。

ここで提示させていただいた方法論は、早く始めるほど効果が出ます。
実行する時期をうかがう必要はありません。そのため、ライバル会社が
まだ着手していないと思われる「今」から実行することが何よりも重要です。

当社では、本レポートにてご紹介したWeb マーケティングを実践する
ための具体的な話を実践したいという方のために、手引書を無料で
プレゼントしております。入手した次の日から使える実践的な
ものとなっておりますので、ご興味のある方はご連絡頂ければと
思っております。

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お問合せURL:http://salesroi.jp/webmarketing/contact.html
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E-Mail:wakamatsu@micg.jp
担当者:若松・花田


2009年10月5日月曜日

俯瞰できれば、いかにあなたが“振り回されていた”か分かる 【最終回】戦略立案のプロは“流されない”

あらためて、今まで作成してきたものを眺めてみましょう。
A4のペーパー1~2枚の「これからの世界そして日本に関する相場観」
同じくA4のペーパー1~2枚の「自社の本質的な強みと弱み」、そしてそれに対する、A4のペーパー数枚の「10年刻みで世代毎の意識や価値観の違いに関する補足」
以下図表、および各シナリオ毎にA4のペーパー数枚で表現される「10年後の外部環境に関するメインシナリオそしてリスクシナリオX、Y」
A4のペーパー12枚の「これからの世界そして日本に関する相場観」


同じくA4のペーパー12枚の「自社の本質的な強みと弱み」、そしてそれに対する、A4のペーパー数枚の「10年刻みで世代毎の意識や価値観の違いに関する補足」


以下図表、および各シナリオ毎にA4のペーパー数枚で表現される「10年後の外部環境に関するメインシナリオそしてリスクシナリオXY



ボリュームは人により大きく異なるであろう以下のような項目を網羅する「10年ビジョン」


企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表


10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現


KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす


企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す


・ ビジョンを実現するために必要となるパラダイムの転換

 XXからYYへ、PPからQQへ、といったものを、3つくらい(多くて5つ)並べる。


・ 主要課題に関してその背景と現状の理解

 ビジョンを実現するための主要課題とその背景を、現状との対比で示す。


・ 企業活動の主要要素別ギャップ

 企業活動の主要要素別に目標と現状のギャップを、それぞれ上限5項目程度で示す。箇条書きレベルでOK


・ 事業戦略

 柱となる売り上げ、収益、事業分野の数字に関して、現状から10年後の目標値まで時系列で数字を示すとともに、前提となったその拡大と絞り込みに関する戦略レベルの方針や主要なイベントを記述。


・ 分野別戦略

 企業活動の主要要素別に現状から10年後の目標値まで、時系列的に示すとともに、前提となった戦略レベルの方針や主要なイベントを示す。一般的には、人材、組織、技術、製造、マーケティング・販売、物流、購買、経理・財務、ブランド、IT・・・これをある程度のまとまりに括るか、重点部分を取り出すか、押し並べて述べていくか、ここは好みと議論が分かれるところです。


・ 実行計画

 実行にあたっての体制、プロジェクト管理、投資計画、次フェーズ(直近1年程度)の実行計画、その他留意点、など。


ボリュームは人により大きく異なるであろう以下のような項目を網羅する「10年ビジョン」
企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表
10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現
KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす
企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す
・ ビジョンを実現するために必要となるパラダイムの転換
 XXからYYへ、PPからQQへ、といったものを、3つくらい(多くて5つ)並べる。
・ 主要課題に関してその背景と現状の理解
 ビジョンを実現するための主要課題とその背景を、現状との対比で示す。
・ 企業活動の主要要素別ギャップ
 企業活動の主要要素別に目標と現状のギャップを、それぞれ上限5項目程度で示す。箇条書きレベルでOK。
・ 事業戦略
 柱となる売り上げ、収益、事業分野の数字に関して、現状から10年後の目標値まで時系列で数字を示すとともに、前提となったその拡大と絞り込みに関する戦略レベルの方針や主要なイベントを記述。
・ 分野別戦略
 企業活動の主要要素別に現状から10年後の目標値まで、時系列的に示すとともに、前提となった戦略レベルの方針や主要なイベントを示す。一般的には、人材、組織、技術、製造、マーケティング・販売、物流、購買、経理・財務、ブランド、IT・・・これをある程度のまとまりに括るか、重点部分を取り出すか、押し並べて述べていくか、ここは好みと議論が分かれるところです。
・ 実行計画
 実行にあたっての体制、プロジェクト管理、投資計画、次フェーズ(直近1年程度)の実行計画、その他留意点、など。
ボリュームは人により大きく異なるであろう以下のような項目を網羅する「10年ビジョン」
企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表
10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現
KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす
企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す
・ ビジョンを実現するために必要となるパラダイムの転換
 XXからYYへ、PPからQQへ、といったものを、3つくらい(多くて5つ)並べる。
・ 主要課題に関してその背景と現状の理解
 ビジョンを実現するための主要課題とその背景を、現状との対比で示す。
・ 企業活動の主要要素別ギャップ
 企業活動の主要要素別に目標と現状のギャップを、それぞれ上限5項目程度で示す。箇条書きレベルでOK。
・ 事業戦略
 柱となる売り上げ、収益、事業分野の数字に関して、現状から10年後の目標値まで時系列で数字を示すとともに、前提となったその拡大と絞り込みに関する戦略レベルの方針や主要なイベントを記述。
・ 分野別戦略
 企業活動の主要要素別に現状から10年後の目標値まで、時系列的に示すとともに、前提となった戦略レベルの方針や主要なイベントを示す。一般的には、人材、組織、技術、製造、マーケティング・販売、物流、購買、経理・財務、ブランド、IT・・・これをある程度のまとまりに括るか、重点部分を取り出すか、押し並べて述べていくか、ここは好みと議論が分かれるところです。
・ 実行計画
 実行にあたっての体制、プロジェクト管理、投資計画、次フェーズ(直近1年程度)の実行計画、その他留意点、など。
 
ここまでまとまったものを書き記したあなたは、無事、「目線を上げて経営戦略を書いてみた」わけです。それでは、「俯瞰的な視点とぶれない機軸」は完成したでしょうか?
 残念ながら、これで解放というわけではありません。
 まず、未来という不確実性の中で仮説のもとに構築した、シナリオ、ビジョン、そして戦略は、作ったその瞬間から陳腐化が始まります。そして過去も同様に、整理した瞬間から陳腐化が始まるのです。なぜなら過去に関しても常に新たな発見がありますし、その解釈は常に新しい事実によって変わっていくからです。
 それでは、俯瞰的な視点とぶれない機軸に関してはどうでしょう。確かに、この一連の旅を終えたあなたは、以前に比べればはるかに俯瞰的な視点を持ち、そしてぶれなくなっていると思います。
 しかし、それらの変化はあくまで相対的なものであるし、作成したその日から、マイビジョンやマイ戦略は陳腐化していくことを考えると、基軸だって根元が緩んで来るでしょう。
 陳腐化を避け俯瞰的な視点を広げ、ぶれない機軸をより確固としたものにしていくためには、マイビジョンやマイ戦略を日々磨いていくしかありません。
 折角作成したものを人にパクられるのが嫌だとか、恥ずかしいだとか、そのようなことを考えては、折角ビジョンを作った意味がありません。オープンソースをはじめ、製品開発や技術開発ですら多くの人によるコラボレーションで進められていく時代、そのような閉鎖的な考え方とは決別しなくてはなりません。
 開放系で、日々マイビジョンを磨いていく、今回は、そのための方法を中心に説明していきたいと思います。

身近な人を活用する


 まずは同じ会社に所属する人たちとの議論が大切でしょう。同じ職場に働く者たちの間で、良いコミュニケーションの材料にもなるし、お互いの新たな面が発見出来るかもしれません。

日本経済新聞のコラム「春秋」(2009年9月27日号)で、最近は勝間和代や本田直之などの自己啓発本がブームだとか。記事曰く、彼らはバーチャル上司である由。「旬の人を選べ」とか、「自分の最適なコーチは自分」と説いているそうです。
 幸か不幸か、私は彼らの本を読んだことはありませんが、果たしてそのような内向きなスタンスで良いのかなあ、と素朴に感じてしまいます。もちろん、会社の看板だけで勝負してはいけませんが、利用するものはとことん利用する、良い上司も悪い上司も、全て自分を大きくしていくための修行である、というくらいに考えることは出来ないのでしょうか?
 無論、コンサルティング会社とか、投資銀行とか、同じ職場の人間はすべては本質的にはライバルか単なる同居人であり、決して仲間ではない環境で生きていくのであれば、彼らのような覚めたスタンスも必要悪ではあると思いますが。
 日本企業に勤める醍醐味は、やはり会社と一体化して仲間のリーダーとなり立っていくことを目指すところにあると、私は傍で見ながらずっとそう思っていました。したがって、そのような態度には、つい違和感を覚えます。
 もっとも、同僚にそのようなスタンスの人間が多いなら、逆にチャンス到来なのかもしれません。一昔前の熱いサラリーマンになって、思いきって暴れてみてはどうでしょう?

外部の人間と他流試合をする


 自社内部だけの議論ではなく、外部の目から見て評価を受けるのも重要です。率直な目で見て、正しくコメントしてくれるような人物を探し当てることが出来れば、その人はあなたの職業人生にとって良いパートナーとなるでしょう。
 企業の枠を超えた人材の交流は、意外と少ないというのが私の実感です。コンサルタントという商売柄色々な分野の方々と知り合う機会があります。時に相性の良さそうな初対面の方々を交えた食事、あるいは数人から十数人を集めた勉強会など、いずれも非常に盛り上がりますし、感謝されることが多いです。
 世の中には、異業種交流会や、SNSのコミュニティ、そしてそのオフ会といった、いくつかの機会があります。私も、過去そのようなものに参加したことがありますが、残念ながらあまり長続きした記憶はありません。
 やはり、「同じ釜の飯を喰った」経験や、「プロジェクトを共にした」といった共有体験を有することが、良いパートナーを得る機会であった気がします。そのためには、大学の同期や高校の同窓の中でネットワークを広げるのも良いでしょう。
 このような活動を長続きさせるコツは、自分が主催者になることです。異業種間で人の関係を取り持つような幹事役は中々いないので、通常感謝されますし、場を作ることがさらに価値につながり、その価値が人を呼び場の価値を高めるという、良循環を構築することが出来ます。
 1つのコミュニティに関して、いたずらに数を増やす必要はありません。例えば以下のように、タイプの違う、いくつかのカテゴリーに分けたコミュニティを持てばよいのです。
・ まじめ
・ チョイワル
・ ほのぼの癒し
・ 熱血
 等々、他にも色々と考えられます。
 ちょっと知りあった気になる人は、どしどし食事に誘いましょう。そこで相性が良いと感じたら、定期的に会う機会を設ける。そのうち、仲間を作ろうという話になり、コミュニティが生まれてきます。ちょっと脱線すれば、これは女性と知り合う機会を増やすテクニックと同じです。
 貴方のマイビジョンは、このようなコミュニティ活動における格好のネタになります。そのような機会を通じて、マイビジョンを進化させていきましょう。

大学の先生や専門家との議論


 ある程度議論の範囲を狭めることが出来るなら、その道の専門家と呼ばれる方々と議論するのも有効です。その方法は、ホームページからの問い合わせエントリーです。それなりに著名な方々でも、キチンと自己紹介をして趣旨と目的を明確にしたうえで、訪問と議論のお願いをすれば、意外と受け入れられる確率が高いものです。

ちなみに私は単なる無名のありふれたコンサルタントですが、きちんとした内容のエントリーが、わが社のHPにあれば、お会いするようにしています。新鮮な情報への期待が第一で、仕事を期待するようなことは、特にはありません。ただ、礼儀として菓子折程度は持参したほうが良いでしょう。
 セミナーや講演会などに参加して、その後質問をぶつけるのも勿論OKです。「自らの話を聞いて、さらに話をしたいというきちんとした申し出を不快に感じる人物は居ない。もしそのような態度を取るようであれば、小物なので相手にするに足らない」。このようなスタンスで良いのです。臆せず、堂々と議論をしましょう。

ブログやSNSを活用する


 いくらマイビジョンとは言え、自社に関する検討結果を一般のネットワークに公開するのは、いささか抵抗が有るかもしれません。ですが、10年後の世界に関するシナリオであれば、汎用性もあるし、面白い議論になるかもしれません。
 インタラクティブに多くの人たちが書き込みを行っていくWEB2.0の世界を、実感として体感してみるのも、面白いとは思いませんか? メールで行う1:1のやり取りより、はるかにダイナミックな展開が待ち受けています。

「マイビジョン」の先にあるもの


 マイビジョンを作成したあなたは、俯瞰的な視点とぶれない基軸を手に入れました。そしてそれは、日々グレードアップして行きます。それでは、その先に何が有るのでしょうか?
 俯瞰的な視点を手に入れると、自分の周りや所属する組織に存在する壁に気がつくようになります。ぶれない基軸を手に入れると、周囲の人たちがいかに周りに振り回されているか、あるいは、無意識のうちに自分の意見を変えているか、気が付くようになります。
 そして、自分の周りにある組織の壁が、いかに無駄を生みだし新しい創造を阻害しているか、という古くて新しい問題にも。

“壁を超える”ビジネス・プロデューサーになる


 組織があれば壁が出来るのは当たり前です。小さな会社が大きくなる過程で、組織がどんどん増えていった場合は、もともと同じ釜の飯を喰っていた仲間意識があるのでまだ意思疎通が出来ますが(いわゆるOld Boys' Network)、初めから分かれていると、組織論理が育ち壁はどんどん高くなります。
 組織論理に関して、保守的で変わりたくなくなるのも当たり前です。言葉に出来ない人の意思を切り取った平均が組織なので、構成員の平均に比べ、組織論理はどうしても保守的になります。
 例えば日産自動車では、ずっと毎年CFT(クロス・ファンクション・チーム)なるものを多く組成し、トップダウンで有能な人材を充て、横串を推進しています。単一プロダクトの自動車産業において、これだけ横串への努力が継続的に必要ということは、壁や保守性が強いのは当たり前、ということに他なりません。
 欧米社会では、個人主義のベースの上に、組織の壁や組織論理の保守性を前提として、横串組織のマネジメントが構築されているので、それなりにうまくやる方法が公式化されています。
 一方、日本の場合、成長期に拡がっていった成功体験を持つ経営者(=団塊の世代まで)は、仕組みなどなくても何とかなると考える傾向が強いように見受けられます。
 現在の状況(日本経済の停滞期)が長く続けば、徐々に学習が進むものと思われますが、仕組みを元に公式化された成功体験を企業内で積み重ねていくには、それなりに時間を要することは想像に難くありません。
 欧米の場合、組織の地位は任命されたもの、与えられたものとの感覚が強いですが(その分ボスには忠実)、東アジアでは、組織と自分が一体化して帰属意識が強い分、それが全てとの感覚になる傾向がみられます(従ってより組織の論理に忠実)。したがって、理屈や個人の意思より組織論理が強くなる(=壁が出来る)傾向がより強いので、さらに根が深く厄介な場合が多くなります。
 いずれにしても、壁をなくそうとか、組織の保守性を改めようとか、重力の法則に逆らうようなことは、労多くて益少ないのではないでしょうか。むしろ、壁や保守性というものは、すべからくどのような組織にも存在するという前提で、どうやって、その弊害を少なくしていくのか、といった観点で取り組むことが重要であると思われます。
 すなわち、壁があるなら壁をすり抜けて行動する人をいかに増やすか? 組織の保守性が課題であれば、リーダーの変革マインドを如何に高めるか? といった対応策(いわば組織の行動様式)を取ることが、結局は問題への最善のアプローチとなると思います。

取り組みの具体的な例として、私がいま思いつく範囲では、以下のようなものがあります(きっと他にも沢山有るでしょう)。

● 共通のビジョン
 多くのカリスマ型リーダーはこれにあたります。例えば、ユニクロの柳井さんとか。あるいは、そのようなビジョンが組織としてしっかりしているところ、例えば、日本郵船や商船三井などの伝統的な企業が、これにあたります。

● 参加と信頼
 このケースが一番多いでしょうか。例えば、日産に代表されるCFTやトヨタの設計主幹制度です。面白いのは、日産は職務分掌で、トヨタは豊田家のお墨付きという形で、リーダーに権威を与えていることですね。
 オフサイトミーティングの開催による意識共有化や、富士ゼロックスのバーチャルハリウッドなどの自主的な提案活動、いわゆる改善活動委員会なども、このカテゴリーに入ります。

● 論理的対応
 人事ローテーションによる対応で、壁を超えた社員を作りだす手法があります。GEその他多くの欧米系会社による、選抜したコーポレートレベルで各事業会社をローテーションする社員、例えばHPLP、FPLP、SPLPなどといった存在は、比較的有名です。
 ジュニア・ボード等、企業の中でも、普段はなかなか接点がない次世代のリーダーが、同じ釜の飯を喰いながらじっくり議論する疑似体験も時には有効でしょう。

● 報酬と罰則
 例えば、コラボレーションのベストケースを表彰など、良くありますね。他には、KPIによる横串促進などもこれにあたります。例えば、業績管理に横串の指標を入れる、など、多くの会社で採用されているのではないでしょうか。

ぶっちゃけて言えば


 およそこのような手段は、他にも色々と考えられます。私は思うに、管理職同士がいかに人としてお互いを知る機会を増やすか、という目的を置いたこのような活動のほうが、むしろ、良く行われる個々人の意識改革より重要なのではないかと思います。
 XX-WAYにしろ何にしろ、結局は酒を飲み語ることで、形造られ伝承されて行ったものではないでしょうか。酒を飲まなくなった昨今においては、机上だけではない真実の共有体験を如何に効率よく作るか、といったことが重要で、それはコーポレートのマネジメントファンクションへ鍵となる部課長を参加させるとか、マイビジョンの討論会をやるとか、色々と工夫のしようがあるのではないかと思います。

マイビジョンの次は変革の旅


 最後は、長々と企業変革の途端について、述べさせていただきました。マイビジョンの次に来るもの、それは企業変革への挑戦です。
 ホワイトカラーの醍醐味と思い、皆さん、頑張ってください。
「10年シナリオ」のセッションご案内
 この連載の中で紹介した「10年後のシナリオ」を、皆さんと一緒に作成したいと思います。作成のプロセス、そして結果は、この日経ビジネスオンライン上でご紹介する予定です。内閣府副大臣の大塚耕平さんも参加(予定)して、皆さんと一緒に議論します。
  日時:2009年11月8日(日曜日) 15:00-20:00
  場所:エム・アイ・コンサルティンググループ事務所(南青山)
  人数:8名程度
  前提:事前に数冊の本を読んで来ていただく必要があります
  費用:無料
●お申し込みはこちらから。
 必須項目をご記入の上、「お問い合わせ内容」欄に「セミナー名」「簡単な自己紹介」、そして「自らの思い」をご記入いただき、奮ってご応募下さい。応募者多数の場合は、こちらで選考を行った上、参加いただく方に連絡を差し上げます。