先回作成したビジョンは、良く練り上げられてきましたか? ここで、前回同様にここまで作成した資料を、改めて振り返ってみましょう。
・ | これからの世界、そして日本に関する相場観 |
・ | 自社の本質的な強みと弱み、そしてそれに対する、世代毎の意識や価値観の違いに関する補足 |
・ | 10年後の外部環境に関するメインシナリオ、そしてリスクシナリオX、Y |
・ | 10年ビジョン |
1つひとつの資料について、愛着と自信を持ってその趣旨を資料無しで全て説明出来るようになっていたら、良く練り上げられた証拠です。そこまで到達していないようであれば、まだ努力が足りないということです。執念を持って、頑張りましょう。
さて、今回はいよいよ最終段階、ビジョンを実現するための経営戦略を考え書き記します。最後まで気を許さずに進んで行きましょう。以下、先回使ったチャートで、改めて経営戦略、ビジョン、現状、10年後の未来環境の位置付けを示しておきます。
経営戦略を定義する
経営戦略という言葉も、ビジョンという言葉と同様に、色々な意味で使われます。
そもそも、戦略の元々の意味は、孫子の兵法に代表されるような戦いに勝つための方法です。したがって、シンプルな表現を好む人は、戦略とは「Where to play, How to win」であると言います。
ここで、改めて経営戦略というものの定義を考えるために、代表的な経営戦略のフレームワークとされる、ポーターの「競争優位の戦略」で提示された有名な以下のフレームワークを取り上げ、具体的に考えてみましょう。
ここでは、まさに「Where to play & How to win」の定義を中心に、戦略フレームワーク上の整理がされています。したがって、What(どの事業を)という要素は、これを考える上での前提として与えられています。
具体的には、現状の事業、もしくは新しく開始する事業に関して、競合等の外部条件や自社の能力を中心にした内部条件を元に、3つの「Where to play & How to win」の戦略オプションから、何を選択するかということを考えます。
これが成り立たない場合は、改めてWhat(事業)を見直す、つまり新規事業としては再考する、もしくは既存事業であれば撤退をする、といった検討が行われます。
したがって、ここで取り上げたポーターのフレームワークは、ここまで作成してきたマイビジョンでは、10年後の経営環境において、自社がどこにポジショニングしてどのような戦い方をしているか、という中身の整理に近い内容であるということになります。
私たちは、What(どの事業を)という部分はある程度明示的に、Where & How(何処でどうやって)に関する部分は、
KFSという形でそのサマリーを既にビジョンの中で整理して来ました。ゆえに、これから先行うべき作業は、これまでの内容を適宜ブラッシュアップしつつ、10年後のビジョンを、どのように実現していくかという定義が、中心になります。
そこで、私たちが作成するマイビジョンにおいて経営戦略とは、10年後の経営環境において、(1)然るべきポジショニングをどのように確保するか、そして、(2)その時点で戦いに勝つために備えていなければならない実力をどう獲得するか、そのための道筋と主要な考慮点を戦略的な(上位の基本的な考え方に立った)主要項目レベルの大日程を中心に示したものとして定義をします。
通常、経営戦略という言葉で使われる定義としては、先週作成をしたビジョンにここで定義をする経営戦略の両方を包含している場合が多いことと思います。したがって、仮に自社における定義がここでの定義と異なり、この内容を経営戦略と呼ぶことに違和感が有るならば、トランスフォーメーション戦略や実現戦略といった、戦略レベルの大計画であることをはっきりさせるようにしたら良いでしょう。
経営戦略の相場観を持とう
ここで経営戦略の作成に入る前に、先週と同様に相場観を養う意味で、会社のHPに掲載されているものを、幾つか見て行くことにしましょう。
まずはつい最近、2020年に向けた事業戦略を発表した、
ファーストリテイリングのものから。必ずしもこれを意図したわけではないのですが、期せずして、9月2日に発表された2020年のビジョン、および戦略が発表されました。
これは、ぜひ、ビデオ画像も見ていただきたいと思います。強気でなるオーナー経営者にして、「1兆円
くらい行きたいな」、とか、「
出来たらこれを~世界に展開して行きたいな、
なんて思ってます」といった表現は、日本人はやはり奥ゆかしいなあ(下線部の表現参照)、と改めて感じるとともに、何となく夢とロマンを感じさせるものです。
ちなみにファーストリテイリングの取締役会には、私が22年在籍したアクセンチュアの村山徹前社長、元ゴールドマンサックスのマネージング・ディレクター(M&A)の服部暢道が社外取締役として加わっていますが(ちなみに、取締役合計4名のうち柳井正を除く3名が社外取締役のファーストリテイリングにおいて、あと1名は双日の元CEOである半林亨です、それぞれの経験・知識・能力を考えると、アドバイザー軍団としてなかなかの人選ですね)、このような豪華なアドバイザーを揃え、マイビジョン=コーポレートビジョンをオーナー経営者として実践しているということですね。私たちも夢とロマンで頑張りましょう。
これを見た上で、改めてこの発表を受けた新聞やネットの記事を読むと、その伝えるメッセージの貧困さにがっかりさせられます。メディアの役割は無くなることは無いと思いますが、このような類の単なる情報伝達部分においては、単に情報として紙面や画面を埋めている以上の付加価値は無いように思えます。メディアのより一層のリストラは、避けられないところですね。
次に見ていただきたいのは、
森精機です。こちらは、経営戦略という言い方はせずに、中期経営計画(PQR555)と表現をしていますが、中身は、経営戦略と呼べるレベルのものであると思います。
内容は、ビジョナリーかつ経営力で知られるオーナー経営者の社長の下で、全社マネジメントが練りに練った内容なのでしょうか、とても高い水準であり、かつ分かり易いものであると思います。また、機能別戦略の主要部分について、経営陣の中でオーナーを定め、そのコミットメントを誇示するかのようにHPに写真が掲載されているところなど、健全な緊張感を感じさせます。
機能別戦略の中では、人材の強化・育成が大きく取り上げられています。ファーストリテイリングもそうでしたが、事業、収益、人材の強化・育成、品質、ブランドといったあたりが、良く出来た経営戦略の構成要素として取り上げられていることが、多くなって来ています。
少なくとも、戦略構成要素に関するコンテンツの品ぞろえという観点では、私がコンサルタントとして活動を始めた80年代初めに比べると、その充実ぶりに隔世の感が有りますね。
なるべく良いものを見ていただきたくて、優れたオーナー経営者のもと成長中の企業のものを2つ並べましたが、最後に、私から見ると全くダメなものを見ていただきたいと思います。
みずほファイナンシャルグループです。解説は不要でしょう。
ちなみに、同じメガバンクでも
三井住友フィナンシャル・グループのものは、まあそれなりのレベルで書かれています。ご参考まで。
経営戦略を考える上でも企業活動フレームワークは有効
それでは、経営戦略を考える上で、そのフレームワークはどのように考えれば良いでしょう? フレームワークという言葉に違和感があるのであれば、標準的な目次もしくは構成、と言い換えてもらって構いません。そして、ここでもビジョン作成の際に用いた企業活動のフレームワークは、極めて有効です。
実際の経営戦略の上で、このフレームワークはどのように反映されているでしょう?
例えば、上記の例で示した森精機の経営戦略と、上記のフレームワークをマトリックスで整理すると、以下のようになります。
同様のチェックをインフラストラクチャーのフレームワーク各項目と行ってみると、この経営戦略がカバーしている範囲が良く判ります。
ここで誤解していただきたくないのは、経営戦略は、必ずしも網羅的である必要はないということです。例えば、既に日常的な活動として十分な取組が行われている項目(例えば、上記、森精機の例では社会貢献活動に関しては、HPの中で大きな項目を挙げて記載されています)に関しては、必ずしも戦略の中で取り上げる必要はないからです。
フレームワークは、ものを考えるにあたっての切り口や、考えた結果を検証するための道具であり、決して内容を規定するものではないところ、理解したうえで活用ください。
現状の理解と記述
定義したビジョンの項目に従い、現状を記述しましょう。これは、すでにビジョンを作成した際、記述したか頭に入っている場合も多いと思います。ここでは、それを改めて言葉や数字として書き表してみます。
具体的には、ビジョンを整理した項目に従い、現状における強み/弱み(あるいは良いところ/改善すべきところ/追加すべきところ)、ビジョンにおける到達ゴール実現に向けた主要成功要因(KSF:Key Success Factor)を定義する、といった段取りで進めていけば、良いでしょう。
ここできちんと、現状(AS-IS)について記述することで、ビジョン(TO-BE)との違いがはっきりし、その差を埋めるための方策の大方針、及び時間的観点での集約が、経営戦略ということになります。
経営戦略を考えるためのヒント
私たちは、マイビジョンにおける経営戦略として、(1)然るべきポジショニングをどのように確保するか、そして、(2)その時点で戦いに勝つために備えていなければならない実力をどう獲得するか、そのための道筋と主要な考慮点を戦略的な(上位の基本的な考え方に立った)主要項目レベルの大日程を中心に示したもの、すなわちビジョン実現のための戦略計画として定義をしました。
一般に、これらの検討を進めていくに際しては、フレームワークや理論、ベスト・プラクティスと呼ばれる各種事例、その他個別分野のトレンドなど、多くの情報に通じているほど(私たちコンサルタントは、これをResourcefulであると言います)、より高い品質の内容が得られます。
コーポレートビジョンにおける経営戦略を作成する際、コンサルタントを活用する最大のメリットは、フレームワークや理論の実践的活用に習熟したコンサルタントを通じて、各種事例や個別分野のトレンドリソースのデータベースに対してハイタッチなアクセスが可能な点にあるでしょう。なんせ、大抵の依頼事項を、一晩のうちにきれいに整理して持ってくるのですから、少々高くてもつい病み付きになってしまします。
余談ですが、20年くらい前、某中央官庁に対してDSS(Decision Support System : 自らの手で情報を抽出・分析する意思決定支援システム)を提案した際、キャリア官僚より、「ノンキャリの部下に依頼しておけば、朝までにきれいに整理したレポートが出来ているので、必要性を感じない」と返されたことがあります。人間、楽な環境に慣れてしまうと、それを変えることはなかなか出来ない、だから変革が難しいのでしょう。
ここから先、MBA的なスキルを色々と書きならべて解説をしていくことは、出来なくはない挑戦ですが、Wikipediaに書いてあるような多数の理論に関して、中身を実用に耐えるレベルで説明しようとすると、おそらく一冊の本になってしまうくらいのボリュームがあるので・・・止めておきます。
数多くの理論を活用した経験から言うと、どの理論も間違ったことは言っていないし、それぞれに多くの示唆があります。一方で、たくさんの本を読まないと、すべからく課題が解決できないということはありません。
誤解を恐れず断言すると、ある程度以上の水準にある著者(例えば、ドラッカー、ポーター、トム・ピーターズ、クリステンセン、コッター・・・)が書いた本であれば、1冊読めば1σ(約70%)、2冊読めば2σ(約94%)の課題に対する解決策が得られるのではないかと思います。
この分野における知識と実践能力をきちんと獲得しようとするなら、やはり、シリーズで本を読むか、通信教育、あるいは各種社会人向けMBA講座などを受講して、理論と演習による学びをお勧めします。
このようなプロセスが、時間的、或いは年齢的にちと厳しいと思われるのであれば、身近の部下でそのような知識を持った人材を、データベースとして活用するのも良いでしょう。
不幸にしてそのような人材が周辺に居ない方に関しては、上に書いたように、優れた本との巡り合いの機会を如何に作るかがポイントになると思います。。ちなみに、以下は私がお勧めする簡便的アプローチです。
【理論から入りたい方】
1. | Wikipediaで「経営戦略論」、もしくは「Management Strategy」を検索し(日本語は、単に英文の翻訳のようなので、どちらでも構わないと思います)、内容を読んだ上で、自社の現状とあるべき姿に照らして、最も参考になると思われる本を読む。 |
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2. | その本がしっくりこないようなら、次の本を探す。この分野にものしりの知人がいるようであれば、アドバイスをもらう。しっくりする本を探し出すまでこれを繰り返す。 |
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3. | 探し出したしっくりくる本を元に、経営戦略を検討する。 |
【私が勧める定番本を知りたい方】
1. | 自社の現状、およびあるべき将来のビジョンに照らして、適当と思われるテーマで上記の本を読み、違和感が無ければそれを元に経営戦略を検討する |
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2. | あまりしっくりこないが、著者に共感できる場合は、著者の他の本を探して読んでみる |
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3. | それでもしっくりこないようであれば、Wikipedia等を使い、もう少し広い範囲でサーチを掛ける |
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4. | 違和感のない本に出会うまで、上記プロセスを繰り返す |
【本など読まずにネットだけでやりたい方】
各種フレームワークをネットで検索の上、内容を理解して試行錯誤で活用してみてください。参考までに、私が良く使用する古典的なものを、幾つかリストアップしておきます。
● BCGマトリックス: | 事業ポートフォリオ・マネジメント |
● アンゾフのマトリックス: | 新商品、新規事業戦略 |
● 3C、5C: | マーケティング |
● マッキンゼー 組織の7S: | 組織 |
● SWOT分析: | 戦略オプション分析 |
● グレイナーの企業成長モデル
それから最後に、ウルトラCを教えます。以下は、総務省がブレークスルー・パートナーズというハンズオンベンチャー支援を行う企業に委託して作成をした、「
事業計画作成とベンチャー経営の手引き」です。
大変充実したこの資料(しかし作成フィーは高かったでしょうね)、実はベンチャー以外の企業でも(大企業でも)、ほとんど大部分は適応可能です。漏れがなく、各種フレームワークを活用した実践的なハンドブックとして、大いに活用する余地が有ります。
経営戦略の作成方法
経営戦略の作成は、ある方に言わせると「神の仕事」であるそうです。経営戦略においては、現実に直面している課題への対応ではなく、長期的な変化や新しい活動を行うために、従来やっていないことが「やる」と書き記される。そして、そのことで各メンバーが今までと異なった行動を開始する。
以前、「汝、神に代わりてデザインす」というデザイナーの気概を現した台詞を聞いたことがありますが、ここはさしずめ、「汝、神に代わりて経営戦略を立案す」、といったところでしょうか。
経営戦略の作成においても、ボトムアップとトップダウン、両方のアプローチがあります。
トップダウンは、思考法としてはデダクション(演繹法)と言い換えることもできます。ビジョンよりXXであらなければならない、ということで要素還元論的に要件を落として、その要件を実現するための戦略ということで組み上げていく方法です。
ボトムアップは、思考法としてはインダクション(帰納法)と言い換えることが出来ます。これは、現状から残すものは残し、変えるべきものは変え、そして新たに加えるべきものは加える。この積み重ねをビジョンに向けて行っていく方法です。
思考法として、もう1つあるのはアブダクション(仮説思考法:発想法)です。これは、トップダウンのボトムアップのどちらから出発するのではなく、現状からビジョンへの変革を実現するための経営戦略を、自らの発想で仮置きして、その有効性をボトムアップ、トップダウンの双方から検証するアプローチで、現実にはこの方法が多く用いられます。
ベスト・プラクティス・アプローチとは、この仮説を得るために、同じ業界のベンチマーク企業や、他業界のベンチマーク企業に、この仮説の源を頼ることとほぼ同意です。ただ、このアプローチを採用した場合、競合企業に近づくことは可能であっても抜きん出る事は出来ないので、これだけに頼るのは良くないと思います(現実は、すぐに事例はあるのか? という話になるところ、日本企業の本質的な課題の1つかもしれません)。
経営戦略の目次
企業の現状、そしてビジョンの中身に応じて、個々の経営戦略においてあるべき目次は大きく異なります。ここでは、あくまで1つの例として、私が標準的に考える経営戦略の目次を示しておきます。くどいようですが、この内容に囚われて思考停止にならないよう、気を付けてください。
・ | 企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表 |
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・ | 10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現 |
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・ | KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす |
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・ | 企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す |
・ | 企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表 |
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・ | 10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現 |
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・ | KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす |
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・ | 企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す |
・ | 企業活動の主要要素を網羅したビジョンを表現する、とことん言葉に拘った300字程度の文章。適切なものが浮かぶようであれば、それを説明する図表 |
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・ | 10年後の外部経営環境サマリーを項目別箇条書きで表現 |
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・ | KFSに関して、外部環境、もしくは内的な視点のいずれか、あるいは両方から、項目別に箇条書き、もしくは複数の項目を包含した文章の形で書きしるす |
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・ | 企業活動の主要要素に関する目標説明。定量化できるもの(例えば売り上げや人員数など)は、定量化して示す。定性的なものも、何らかの目標として示す。これらの目標は、上記KFSとの関係でなぜそのようになるのか(WHY)を、自らの思考の根拠として記す |
・ ビジョンを実現するために必要となるパラダイムの転換 |
| XXからYYへ、PPからQQへ、といったものを、3つくらい(多くて5つ)並べる。 |
| |
・ 主要課題に関してその背景と現状の理解 |
| ビジョンを実現するための主要課題とその背景を、現状との対比で示す。 |
| |
・ 企業活動の主要要素別ギャップ |
| 企業活動の主要要素別に目標と現状のギャップを、それぞれ上限5項目程度で示す。箇条書きレベルでOK。 |
| |
・ 事業戦略 |
| 柱となる売り上げ、収益、事業分野の数字に関して、現状から10年後の目標値まで時系列で数字を示すとともに、前提となったその拡大と絞り込みに関する戦略レベルの方針や主要なイベントを記述。 |
| |
・ 分野別戦略 |
| 企業活動の主要要素別に現状から10年後の目標値まで、時系列的に示すとともに、前提となった戦略レベルの方針や主要なイベントを示す。一般的には、人材、組織、技術、製造、マーケティング・販売、物流、購買、経理・財務、ブランド、IT・・・これをある程度のまとまりに括るか、重点部分を取り出すか、押し並べて述べていくか、ここは好みと議論が分かれるところです。 |
| |
・ 実行計画 |
| 実行にあたっての体制、プロジェクト管理、投資計画、次フェーズ(直近1年程度)の実行計画、その他留意点、など。 |
判り易いように、先週作成したビジョンを、網がけをして前半に付けておきました。ここに書いた戦略の内容は、かなり詳細な実際にフィーをいただくようなレベルです。マイビジョンでは、ここまで詳細に記述する必要はないでしょう。項目をまとめる、もしくは、焦点を絞り込むようなことを行い、自分で納得のいくマイ戦略を立案してください。
次回は、最後のまとめとして、マイビジョンをどのように活用しつつ育てるか、という観点の議論を中心に、書いて行きたいと思います。